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Interviewどう変わる。地方自治体における内部統制の制度化
山下二郎氏
大阪市行政委員会事務局長
元大阪府監査委員事務局長
元AIGジャパンホールディングス株式会社執行役員
(内部監査担当)
CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)
地方自治体における適正な事務処理の確保や組織運営の合理化などを図るため、内部統制に関する方針の策定などを盛り込んだ改正地方自治法が2020年4月1日に施行される。
新設された地方自治法第150条では、都道府県知事と政令指定都市の市長に対して、財務に関する事務などの「管理及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを確保するための方針を定め、及びこれに基づき必要な体制を整備しなければならない」ことなどを求めており、いわゆる内部統制が制度化された。
これは民間企業でいうところの、会社法と金融商品取引法が定める内部統制制度に当たるが、一方で、民間よりも対象が幅広く、民間よりも進歩した考え方が盛り込まれたと指摘する声もある。
政令指定都市である大阪市の行政委員会事務局長であり、民間企業でも長く内部監査に携わってきた山下二郎氏に、地方自治体の内部統制制度化の現状と課題を聞いた。
- 民間を追う形で始まった検討
- 内部統制は地方分権の一環
- 地方自治体の内部統制制度の課題
- 統一監査基準がないところからの出発
- 専門知識を持つ人材の不足
- 改正地方自治法をどう意味のあるものにするか