IFRS第15号「新収益認識基準 概要」
日本基準にも導入!
IFRS第15号は、新しい収益認識の基準について記述しています。
平成30年3月30日にIFRS第15号とほぼ同様の新収益認識基準が日本基準に導入されることが公表されました(2021年4月から始まる会計年度から適用されています)。
新収益認識基準は、IFRSを適用する際はもちろん、日本基準で会計処理を行う場合でも十分に学習する必要があります。
(1)収益認識の概要
IFRS第15号では、5段階のステップにより収益を認識します。
【ステップ1】契約の識別
一定の要件を満たす契約を識別します。
例えば「3年間の保守契約とセットアップサービスが付属する機械装置の売却」を1つの契約として識別します。
【ステップ2】履行義務の識別
1つの契約に含まれる履行義務を特定します。
上記の例だと「3年間の保守サポート」「セットアップサービス」「機械装置の引き渡し」の、3つの履行義務に区分できるでしょう。
【ステップ3】取引価格の算定
契約した価格を元に、値引きやリベートなどを考慮に入れた取引価格を算定します。
上記の例だと「3年間の保守契約とセットアップサービスが付属する機械装置の売却を1080万円で契約したが、請求する際に端数を切るのが慣例」である場合、取引価格1000万円となるでしょう。
【ステップ4】履行義務への取引価格の配分
ステップ2で識別した履行義務に取引価格を配分します。
上記の例だと「3年間の保守サポート:90万円」「セットアップサービス:10万円」「機械装置の引き渡し:900万円」などとなるでしょう。
【ステップ5】収益の認識
IFRS第15号では、履行義務を果たすことを「支配の移転」といいます。
物品の引き渡しはもちろん、サービスを提供し終えることも「支配の移転」と表現します。
IFRS第15号では、履行義務ごとに支配の移転が完了した場合に収益を認識します。
上記の例だと「3年間の保守サポートについては1年経過ごとに30万円ずつ、合計で90万円」「セットアップサービスが完了した時点で10万円」「機械装置の引き渡しを終えた時点で900万円」の収益をそれぞれ計上します。