IFRSの憲法「概念フレームワーク」
「概念フレームワーク」はIFRSの憲法と呼ばれています。
概念フレームワークは、IFRSを制定・改定する際に首尾一貫したものとなるように、重要な概念についてあらかじめ定めておくものです。
また、IFRSを理解・解釈することを支援することも目的の一つです。
会計処理を行う際は、概念フレームワークよりも個別のIFRS基準書が優先されます。しかし、個別のIFRS基準書に記載がない場合には、概念フレームワークを参照して会計処理の方針を決定します。
これらの特性が憲法に似ていることから、概念フレームワークは「IFRSの憲法」と呼ばれるようになりました。
概念フレームワークでは、財務報告の目的が「現在の及び潜在的な投資者、融資者及び他の債権者が企業へ資源の提供に関する意思決定を行う際に有用な、報告企業についての財務情報を提供する」ことにあるとされています。
さらに、その目的を達することができる有用な財務情報とは「目的適合性及び忠実な表現」を備えるものであり、それを担保するための補強的な量的特性として「比較可能性、検証可能性、適時性及び理解可能性」を備えるべきだと記述されています。
また、コスト上の制約の中で財務情報を提供しなければならないことや、「慎重性の概念」つまり日本の会計基準における「保守主義の原則」、財務情報を提供する際には法的形式にとらわれ過ぎず、経済事象の実質を示すべきことなどについて記述されています。
このように、概念フレームワークにはIFRSに基づいた財務報告をする上での大原則とも言える方針や、「資産」「負債」の定義などの重要情報が記載されていますので、皆さんもぜひ一度ご覧ください。