IAS第34号「期中財務報告」
四半期レビュー・中間決算について
IAS第34号は、期中財務報告について記述しています。
日本基準では、中間決算や四半期レビューなどが「期中財務報告」に該当します。
IAS第34号は、期末の財務諸表と同じ「完全な財務諸表一式」の他に「要約財務諸表一式」をもって期中財務報告とする事が認められています。
(1)期中財務報告の義務
IAS第34号では、期中財務報告を行うべき企業の種類や頻度、期限などは定められていません。
なぜなら、それらの事項は国会や政府、証券取引所などが定めるべきだと考えているからです。
IAS第34号では、あくまでこれらの機関が期中財務報告を義務付けたり、企業が自ら報告したりする際の認識や測定、開示に関する事項を定めているにすぎません。
(2)期中財務報告で開示されるべき事項
期末の財務報告で開示が義務付けられている「完全な財務諸表一式」は以下の書類です。
- 財政状態計算書(a statement of financial position)
- 包括利益計算書(a statement of comprehensive income)
- 所有者持分変動計算書(a statement of changes in equity)
- キャッシュフロー計算書(a statement of cash flows)
- 重要な会計方針の概要およびその他の説明情報で構成される注記
期中財務報告では、これらの財務諸表全ての開示が義務付けられていますが、要約したもので構わないとされています。
ただし、少なくとも直近の年度の財務諸表の各見出しと、小計を含む必要があります。
例えば財政状態計算書であれば流動資産、流動負債などの区分とそれぞれの小計を開示すればIAS第34号を満たしたことになりますが、実務上は期末に開示する財務諸表とほぼ同様の開示をするのが一般的です。
なお、期中財務報告がIAS第34号に準拠している場合にはその旨を記載しなければなりません。
合わせて、期中財務報告がIAS/IFRSの全てに準拠していない限り、IAS/IFRSに準拠していると記載してはいけません。