IAS第26号「退職給付制度の会計及び報告」
年金基金等の会計処理
IAS第26号は、企業が退職金を外部機関に積み立てる際、その積み立てを受け入れる外部機関の会計処理について記述しています。
積み立てを受け入れる外部機関としては、日本であれば年金基金等がイメージしやすいでしょう。
IAS第26号は、例えばこの年金のタイプを2種類に区分して、それぞれのタイプごとに会計処理・表示の方法を規定しています。
(1)掛金建制度と給付建制度
掛金建制度と給付建制度は、日本ではそれぞれ確定拠出型制度、確定給付型制度と呼ばれることが多いです。
掛金建制度(確定拠出型制度)は、企業は退職金の原資として外部機関に一定額を納付するのみで、外部機関の運用損益のリスクは従業員が負担する制度です。
逆にいえば、外部機関は運用のリスクを負担しません。
一方、給付建制度(確定給付型制度)は、事前に定められた計算式によって、従業員が退職後に受けることができる退職給付の内容が確定している制度です。
したがって、外部機関がどのような運用損益を出そうとも、従業員には影響がありません。逆にいえば、外部機関が運用リスクを負担します。
(2)情報開示
IAS第26号では、掛金建制度(確定拠出型制度)、給付建制度(確定給付型制度)のいずれであっても、以下の情報を開示する必要があります。
- 退職金の給付のために利用可能な、純資産の変動計算書
- 重要な会計方針
- 退職金の制度説明と、期中における制度変更
上記に加えて、給付建制度(確定給付型制度)の場合には、退職金給付のために利用可能な純資産と、退職給付の現在価値を開示する必要があります。