IAS第1号 IFRSの「企業会計原則」
IAS第1号は「財務諸表」に含まれる書類の確認と、財務諸表を作成する目的、財務諸表を作成する上での原則について定めています。
日本の基準でいうと「企業会計原則」のようなものですが、より幅が広いものとなっています。
(1)財務諸表の目的
IAS/IFRSにおいて、財務諸表を作成する目的は以下の2つです。
日本基準と似ています。
・広範囲の利用者の経済的意思決定に有用となる企業の財政状態、財務業績およびキャッシュフローについての情報を提供すること
・経営者に委託された資源に対する経営者の責務遂行の成果を示すこと
この目的を達成するために、以下の情報を表示しなければいけません。
具体的には(2)で紹介する「完全な財務諸表一式」によって表示されます。
- 資産
- 負債
- 資本
- 収益、費用(利得・損失を含みます)
- 所有者の立場としての所有者による拠出及び所有者に対する分配
※株主からの出資、株主への配当
(2)財務諸表に含まれる書類
AS/IFRSにおいて以下の書類をまとめたものを「完全な財務諸表一式(complete set of finacial statements)」と表現します。
- 財政状態計算書(a statement of financial position)
※日本基準の貸借対照表に近い書類です。 - 包括利益計算書(a statement of comprehensive income)
※日本基準の損益計算書に近い書類です。 - 所有者持分変動計算書(a statement of changes in equity)
※日本基準の株主資本等変動計算書に近い書類です - キャッシュフロー計算書(a statement of cash flows)
※日本基準のキャッシュフロー計算書とほぼ同様の書類です - 重要な会計方針の概要およびその他の説明情報で構成される注記
※日本基準の個別注記表に近い書類です - 企業が会計方針を遡及適用する場合、または財務諸表項目を遡及して修正再表示を行う場合には、比較対象期間のうち最も早い年度の期首時点の財政状態計算書