
多様なバックグラウンドの受講生の視点を読むことで、自身の考えを広げるきっかけになった
Gallup Japan株式会社
シニアコンサルタント
受講講座:Sustainable Business Strategy
1週間当たりの学習時間:15〜20時間
持続可能性や社会的価値を重視する経営は、今後の社会や企業活動にとって欠かせないテーマだと感じています。以前から関心を持っていた領域でしたが、断片的な情報ではなく、体系立った学びを得たいと考えました。世界的に影響力のあるハーバードのプログラムを通じて、最新の知見に触れられることに大きな意義を感じ、受講を希望しました。
私はこのたび、ハーバード・ビジネス・スクール・オンラインの「Sustainable Business Strategy」を受講しました。現在、Gallupのシニアコンサルタントとして企業の従業員エンゲージメント向上を支援しています。その中で常に感じてきたのは、エンゲージメントが「満足度」と混同され、本来の意味である“組織や仕事に力を発揮しようとする意欲”として理解されていないことです。企業の成長に直結する概念でありながら、経営戦略として十分に扱われない場面が多く、その課題をより広い経営・社会的価値の文脈から捉え直し、語れるようになりたいと思ったことが、今回の受講動機でした。
講座では、CSRのような一過性の取り組みにとどまらず、サステナビリティを経営戦略の中心に据える視点が提示されました。ユニリーバやウォルマートの事例をはじめ、多くのケーススタディを通じて「正しいことをしながら利益を生む」ことが可能であり、むしろ長期的な競争優位につながることを学びました。また、世界各国から集まった受講生が学習プラットフォームに投稿した多様な意見や経験に触れることで、自分一人では気づけなかった視点を得られたことも大きな収穫でした。日本人は少数で、国籍や職種も幅広く、国際的な視点で考える機会を持てたことは非常に貴重でした。
3週間という集中型の講座は非常に密度が高く、仕事との両立には工夫が必要でした。ちょうど勤務先で人員の入れ替えがあり引き継ぎ業務も重なりましたが、シラバスをもとに計画を立て、平日は少しずつ進め、土日のどちらかを集中的な学習にあてることで乗り切ることができました。短期間ながら学びの質は高く、全体を通じて非常に満足度の高い経験となりました。
今回の学びを通じて改めて実感したのは、サステナビリティを経営戦略や組織文化と結びつけて語る力の重要性です。従業員エンゲージメントが単なる満足度ではなく、戦略や仕組みによって担保されるべき「実行力」であることを、経営層が理解・納得できる形で伝えていく必要があります。今回の受講をきっかけに、私自身もクライアントに対して、より戦略的かつ説得力を持ってエンゲージメントの意義を語れるようになりたいと考えています。
1. リーダーの本当の原動力は情熱や価値観
一見すると現実的なビジネスパーソンでも、心を開くと「何かを変えたい」という情熱や、道義的な怒りを原動力にしていることが多いと知り、強く印象に残った。
2. 価値観を職場に持ち込むことの重要性
価値観を持ち込むことは許されるだけでなく「そうすべき」ことであり、共通の目的を持つことで組織はより生産的で革新的になれると学んだ。
3. 「正しいこと」と「利益追求」は両立できる
ユニリーバの事例のように、社会に良いことをしながら利益を上げることは可能であり、その両立を建設的な緊張関係の中で追求し続けることが持続的成功の鍵になると理解した。
1. ユニリーバ(リプトン紅茶・パーム油調達)
大規模サプライチェーン全体に持続可能性を組み込むために、農家研修や業界全体の合意形成を進めた点が印象的でした。
単独ではなく「仕組みや協働」によって持続可能性を実現する姿勢は、私自身が組織変革に関わるときに大切にしている視点と重なりました。
2. ウォルマート(ハリケーン・カトリーナ対応からの変革)
災害時に店舗が自発的に住民を支援したことを契機に、再エネ100%や廃棄物ゼロなど大きな目標を掲げたことが印象に残りました。
現場の行動が会社全体の方向性を変える力になるという点は、日々クライアントと働くなかで感じる「現場の声や行動の重み」と通じています。
3. Norsk Gjenvinning(ノルウェーの廃棄物処理会社)
業界ぐるみの不正を是正し、ゼロトレランス方針や新たな行動規範を導入すると同時に、規制当局や競合を巻き込んで業界全体の構造を変えた事例が印象的でした。
企業文化の変革が内部施策だけでなく外部との協働によって持続するという学びは、変革支援の現場で常に意識しておきたい点だと感じました。
本講座は、サステナビリティを経営戦略の視点から考える力を養ううえで非常に有意義なプログラムです。特徴は、知識を一方的に学ぶのではなく、豊富なケーススタディや他の受講生の意見・投稿に触れながら、自ら考えを深めていくアクティブラーニングにあります。短期間で内容が凝縮されているため学習時間の確保には工夫が必要ですが、シラバスをもとに計画を立て、自分のペースで取り組めば十分にやり切ることができます。多様なバックグラウンドの受講生の視点を読むことで、自身の考えを広げるきっかけにもなりました。経営と社会課題の接点に関心のある方には強くおすすめできる内容です。
