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実務家コラムIFRSの基本 連載第23回:IFRS導入プロジェクトの進め方(5)

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IFRSの基本 連載第23回:IFRS導入プロジェクトの進め方(5)

【デロイトトーマツコンサルティング株式会社 シニアマネジャー 鵜澤 慎一郎氏】

すでに過去の連載で指摘のとおり、【フェーズ2】導入は、IFRS導入プロジェクトを、子会社を含む全グループに、展開するフェーズになります。今回(第23回)はその導入活動を担う当事者でもあるプロジェクト推進メンバーや経理実務担当者の人達に対する、効果的なトレーニング・コミュニケーション施策や方法論を解説します。前回は全グループ展開を実施するうえでの“管理(ムチ)”について解説しましたが、今回は“支援(アメ)”のあり方についての解説になります。

1.トレーニングとコミュニケーションの必要性

必要性の確認

そもそもなぜそこまで手厚いフォローを検討する必要があるのか、淡々と現場まかせのOJT(On the Job Training)でなんとかなるのではとお考えの方もいらっしゃると思います。しかしながら、我々の過去プロジェクト経験から言えることは、導入プロジェクトの規模と期間、関係する人の多様さ、IFRSに対する認知のばらつき等が相まって、特に【フェーズ2】では様々な「ヒト」に起因する問題が発生しがちです。その問題解決策としてトレーニングやコミュニケーションを十分に検討・企画・実施することがIFRS導入のひとつの成功要因となりえます。

2.トレーニングとコミュニケーションの全体像

(1)トレーニングとコミュニケーションの導入ステップ

全体のロードマップとしては4つのステップに大別できます。

(1)現状把握と方針策定
(2)概要設計
(3)詳細設計
(4)カットオーバー/フォロフォローアップ

それぞれのステップに求められる必要期間や作業工数負荷は対象となる経理人材の要員数や子会社・グループ会社に対するマネジメント方針といった各社の事情で変動します。他方で、各社の事情に依らず共通になることは、4つのステップのなかでもとりわけ最初の“(1)現状把握と方針策定”に時間を割いて、今後の見通しや基本方針を主要関係者でいち早く合意・共有できている状態をつくり出すことが大事である点です。

トレーニングやコミュニケーションは馴染みのある言葉ゆえに抽象的な概念レベルでの議論になりがちですが、実は主要な関係者間でも思惑・手法論・実施展開イメージが異なっていることが多く、それを曖昧にしたままプロジェクトを進めると最後になって認識ギャップが顕在化し、度重なる方針変更・作業の手戻りといった非効率なことが発生しがちです。それを避けるためには現状把握と方針策定の段階で現状の棚卸しや今後の方針の議論をきちんと行い、あるべき方向性の明確化、ぶれないスタンスづくりが求められます。

(2)トレーニング概要

トレーニングを考える上で想定すべき論点は大きく2点です。

(1)「誰を」「どのように」「どこまで」育成すべきかのイメージを明確に設定する
(2)スキル・意識・要求水準に合わせて、多様で効果的な手法を行う

まず一つ目の論点については、e-Learning、集合研修、説明会といった個別具体的な実施手段の議論に入る前に、まずは対象者別にトレーニングを通じて達成したい状態(何かできるようになればよいのか)を明確化することが大事です。この達成状態をどう設定するか次第でその後の具体化なアプローチや方法論は各社ごとに異なってきます。

もうひとつの論点については、個別具体的な実施手段の検討ですが、参加者は日常的に定常業務で手一杯のなかで更にトレーニング時間が加わるわけですから余裕はありません。プロジェクト推進側だけの視点でなく、現場側の要望も十分に考慮にいれて、効果的・効率的なトレーニング企画を立てることが求められます。

実際にはプロジェクト推進メンバーや現場での浸透展開の中核となる人達には時間がかかっても高い学習効果が期待できるワークショップ、集合研修といった“リアル場”での双方向性の高いやり取り(質疑応答、ケーススタディ等)から大切なノウハウを伝承・共有していくことが一般的です。他方でその階層より下にはより多くの経理人材が対象となりますので、より効率性重視ということで、説明会・e-LearningとOJTの組み合わせで展開がなされることがよいでしょう。

(3)コミュニケーション概要

コミュニケーションを考える上で想定すべき論点は大きく2点です。

(1)タイムリーな情報提供で、社員の不安・不信を取り除く
(2)継続的に重要性を語り、 社員の意識・知識を向上させる

プロジェクト規模の拡大や進展に伴って、特に現場の経理実務者にとってみれば、これから何が始まるのかよくわかないまま進むことで、不安・不信感な感情が芽生えたり、場合によっては協力者であるべき立場の人が一転、抵抗勢力になりえます。

その多くは誤解や懸念によるものですが、一度ネガティブな心理になったものをもとに戻すエネルギーはプロジェクト推進側にとっても想像以上の心理的負荷と対応時間がかかるものです。そのようなことを避けるためにも早期の段階で主要な関係者間でコミュニケーション戦略を立てることが求められます。

情報はストックとフローに大別され、さらに細かくみるとコミュニケーションメディアとしては多様なものが存在します。

【コミュニケーションチャネルの整理】

どのタイミングで、どのようなメッセージを効果の高いコミュニケーションチャネルを活用して打ち出していくかを整理しておき、常にメッセージを発信する立場の人は、半手先をいくような段取りのよさが求められます。

もうひとつのポイントはメッセージを明確にし、意義・目的といった上位概念の理解を周知徹底することが求められます。わかりやすいメッセージ構造はWhy→What→Howと言われますが、How(どうやってやるのか)の話は作業レベルで通達がなされてもWhy(なぜこれをやる必要があるのか)、What(なにをやるのか)については案外、見落としがちです。現場はIFRSに限らず日常業務と他のロジェクト活動に従事していますので、さらに負荷だけが理不尽に増えるというやらされ感だけが助長するようなことがないようにCFOやプロジェクトリーダーといった責任ある立場の人達は意義・目的といった部分へのメッセージを特に強く打ち出していくことが求められます。

3.中長期的な人材育成

経理部門に求められる新たな人材像と中長期的な視点からの人材育成の必要性

最後になりますが、IFRS導入を契機とした経理人材のあり方や今後の方向性についても言及したいと思います。前述のトレーニングやコミュニケーションはあくまでもIFRS導入をスムーズに展開するために必要なテクニカルな部分(IFRSの知識や関連する業務手順)に焦点を当てています。他方で多くの企業の悩みは(IFRSがその典型的なものですが)経理部門でのあるべき人材像が変わってきている、知識・スキル・行動とは異なるタイプの人材が求められているということです。経理の専門知識はもちろんのこと、コンサルタントのようにプロジェクトマネジメントスキルがあり、さらにはグローバル化対応で英語力も一定レベルで求められます。そのような新たな人材像の実現を目指す上で、このIFRSプロジェクトは貴重な機会です。社内で有望な若手・中堅社員をプロジェクト初期から積極的に関与させて、外部コンサルタントとの協業等を通じて、コンサルティングノウハウやプロジェクトマネジメントスキルを学び取ることもできます。

このIFRS導入プロジェクトを組織・人材マネジメントの視点からみると経理部門にとってより大きな意味づけ・能力開発の場に見えてくるはずです。仕事を通じた能力開発や将来の経理部門のリーダー人材の選抜・育成の好機としても捉えていただければ幸いです。

第24回に続く

文中意見にわたる部分は執筆者の個人的な見解であり、執筆者の属する組織の公式な見解ではありません。

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2022年5月17日 IFRS基準のまとめ
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